矯正治療が保険適用になる?!条件や事例を解説します!

こんにちは。しぶかわ歯科クリニックです(*^_^*)

歯列矯正とは、顎や歯を動かすことによって歯並びを整え、噛み合わせを改善する治療です。専用の矯正装置を用いて、歯や顎の骨に力をかけてゆっくりと動かしていきます。見た目の歯並びの改善を目的とする矯正治療は、健康保険の適用外であるため自費診療となります。しかし、矯正治療でも保険適用が認められている事例があるのをご存じでしょうか?

今回は、矯正治療が保険適用になる条件や事例についてお話ししていきます。

なぜ矯正治療には保険が適用されない?

一般的に行われている歯列矯正は、審美性の向上を目的にしていることがほとんどです。「病気を治す」治療でない限りは、保険適用になりません。そのため、矯正治療ではカウンセリング、検査、診断、治療、装置などにかかる全ての費用が10割の自己負担となります。

矯正治療が保険適用になる条件とは?

矯正治療が保険適用になる条件は、厚生労働省によって定められています

(1)「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療

(2)前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)に対する矯正歯科治療

(3)顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・手術後の矯正歯科治療

また、これらの保険適用される矯正治療を行える歯科医院は、厚生労働省に届出をしている歯科医院に限られます

厚生労働省が定める疾患

「別に厚生労働大臣が定める疾患」は以下の61疾患です

唇顎口蓋裂/ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む)/鎖骨頭蓋骨異形成/トリーチャ・コリンズ症候群/ピエール・ロバン症候群/ダウン症候群/ラッセル・シルバー症候群/ターナー症候群/ベックウィズ・ウイーデマン症候群/顔面半側萎縮症/先天性ミオパチー/筋ジストロフィー/脊髄性筋萎縮症/顔面半側肥大症/エリス・ヴァンクレベルド症候群/軟骨形成不全症/外胚葉異形成症/神経線維腫症/基底細胞母斑症候群/ヌーナン症候群/マルファン症候群/プラダ―・ウィリー症候群/顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む)/大理石骨病/色素失調症/口腔・顔面・指趾症候群/メビウス症候群/歌舞伎症候群/クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群/ウイリアムズ症候群/ビンダー症候群/スティックラー症候群/小舌症/頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む)/骨形成不全症/フリーマン・シェルドン症候群/ルビンスタイン・ティビ症候群/染色体欠失症候群/ラーセン症候群/濃化異骨症/6歯以上の先天性部分無歯症/CHARGE症候群/マーシャル症候群/成長ホルモン分泌不全性低身長症/ポリエックス症候群(XXX症候群、XXXX症候群及びXXXXX症候群を含む)/リング18症候群/リンパ管腫/全前脳胞症/クラインフェルター症候群/偽性低アルドステロン症/ソトス症候群/グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)/線維性骨異形成症/スタージ・ウェーバ症候群/ケルビズム/偽性副甲状腺機能低下症/Ekman-Westborg-Julin症候群/常染色体重複症候群/巨大静脈奇形(頚部口腔咽頭びまん性病変)/毛・鼻・指節症候群(Tricho Rhino Phalangeal症候群)/その他顎・口腔の先天異常

保険適用になる矯正治療の具体的な事例

61疾患の中でも代表的なものをいくつかご紹介します。

・口唇裂および口蓋裂

口唇裂および口蓋裂は、顔周りに起こる先天性疾患で最も頻度の高いものです。唇や歯ぐき、口蓋が癒合不全によって分かれている状態(裂)をさします。裂が口唇のみに見られる場合を口唇裂、口蓋のみに見られる場合を口蓋裂、双方に裂がみられる場合を口唇口蓋裂といいます。近年は超音波検査の精度が上がったことから、出生前に診断がつくことも多くなってきました。口唇裂および口蓋裂においては哺乳や言語機能が困難とされ、歯の成長や歯列にも影響を及ぼす可能性が高くなります。そのため、保険の範囲内での矯正治療が可能となります。

・顎変形症

顎変形症は、上顎または下顎の骨、あるいは両方の大きさや形・位置などの異常、上下の顎の位置関係の異常によって、噛み合わせに大きな問題を生じる状態をさします。上下の顎の骨の位置関係にずれがあり、矯正治療だけでは噛み合わせを改善することが難しい場合には、外科手術を伴う治療となります。具体的には、手術で顎の骨を切り適切な位置に動かしたのち、ブラケットやワイヤー、スプリントなどを用いて適切な噛み合わせに固定します。このような場合も、保険の範囲内での矯正治療が可能となります。

まとめ

今回は、矯正治療が保険適応になる条件や事例についてお話ししました。矯正治療が保険適用になるケースは多くはありませんが、顎変形症をはじめとする先天性疾患でお悩みの方は指定医療機関で相談するとよいでしょう。もし保険適用にならない場合でも医療費控除の対象となる場合もありますので、治療前に担当医に確認してみてください。

当院では、矯正治療の相談と検査を無料で行っています。

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