子供の歯並びは親からの遺伝が原因ですか?他にも原因がありますか?

こんにちは。 しぶかわ歯科クリニックです(*^▽^*)

患者様から時々「歯並びは遺伝しますか?」という質問を受けることがあります。

ご自分たちの歯並びが悪いことが自分の子供に遺伝して子供の歯並びが悪くなってしまうのではないかと心配になる親御さんが少なくありません。

ご自分は矯正治療で歯並びを改善しているけれど、元々の歯並びが悪かったのでそれが遺伝するのではないかと、お子さんが小さいうちから相談されるケースがあります。

今日はお子さんに歯並びが遺伝するかどうかについてお話ししたいと思います。

『歯並び自体が直接遺伝する』というよりは、歯並びを形成する要素が遺伝すると言った方が正しいかもしれません。歯並びを形成する要素とは、骨の位置や骨の大きさ、歯の大きさや歯の数などが遺伝する場合が多いです。

歯を形成する要因が遺伝すれば、結果として親御さんと似たような歯並びになる可能性が高いので遺伝したということが言えます。

逆に歯並びが良い両親を持つお子さんは歯並びが良くなる傾向にあります。

歯並びはどうやって決まるの?

お母さんのお腹の中にいると時に赤ちゃん歯は顎の中にあります。

生まれた時から歯の成長は始まっていて、歯が成長し、生後6〜8ヶ月ごろになるとまず下の前歯が生えて、1才ごろになると上の前歯が生えてきます。(個人差はあります)

そして3才ごろまでには乳歯の20本が生えそろいます。

歯並びの土台は授乳期に作られます。

歯が生えてくる時期に赤ちゃんの顎の発達が遅いと、歯が生えてくるスペースが少なくなるため重なって生えたり、捻れて生えたりということが生じます。

歯並びは、乳歯が順調に成長し、顎の発達が正常に進み、乳歯が永久歯に生え変わるというサイクルが順調に行くかどうかが重要になります。

 乳歯の役割

乳歯列期は、歯の生え始めの時期で乳歯だけです。

乳歯はどうせ生え変わるから、と思っている親御さんが多いかもしれませんが、乳歯には重要な役割があります。

それは、永久歯が正常な位置に生えてくるためのガイドになるという役割を担っています。

乳歯がむし歯になって抜歯することになったり放置していると永久歯が傾斜して生えてしまったり、永久歯の歯列に影響が及びます。

又、通常より早い時期に乳歯が抜けたりすると、永久歯が正常な位置に生えてくることができず、その後に生える永久歯の歯列にも悪影響を及ぼします。

歯や骨格の成長が順調であることが歯列にも大きく関係してきます。

歯並びが悪くなる場合に影響する要素とは

歯並びが先天的要素で悪くなる場合に関係するのは、

①顎の大きさや位置

②歯の大きさ

③唇や舌の力

などです。

特に「受け口(下顎前突)」は遺伝する確率が高いです。受け口の場合は、上顎が小さい、もしくは下顎が大きいタイプがあり、まれに両方を伴う場合もあります。

その他にも、出っ歯やガタガタの歯並び、八重歯なども遺伝するケースがあります。

又アレルギーの遺伝が原因で歯並びに影響が及びことがあります。お子さんがアレルギー性鼻炎になると、鼻で息をすることがしづらいために口呼吸になります。口呼吸が習慣になると舌が下に下がり上顎につかない状態になり、上顎を押し上げる力が足りなくなることで歯並びにも影響が出ます。

食の変化

食の欧米化が進み、最近のお子さんは硬いものを食べなくなってきています。咀嚼は顎の成長にとても大事な要素の一つなので、柔らかいものばかりを噛んでいたり、食事の時にしっかり噛まないでいると、顎の発育に影響して顎が小さくなる傾向にあります。

顎が小さいと歯が並ぶスペースが確保できないため歯がデコボコに生えてくることがあります。

離乳食から普通の食事に変化し、食べることの機能やしゃべることの機能を習得していきます。

この大事な成長期に受け口や叢生(そうせい)などの不正咬合になりそうな要素がある場合は、特に気をつけて見てあげることが必要です。

「よく噛んで食べる」ということは幼少期から高齢期までの一生涯大切なことなのでしっかりお子さんが習得できるようにしてあげてください。

お子さんの歯並びに影響するのは遺伝の他には?

お子さんの歯並びにおいての遺伝の影響は3割程度で、あとの7割を占める要因は、『生活習慣』だと言われています。

①舌の癖

舌を前に押し出す癖があると前歯が前に出てきて出っ歯になります。又上下の歯がかみ合わない開口や、すきっ歯になったりしますので、とても良くない癖です。発音にも影響する場合もあります。

②指しゃぶりの癖

指しゃぶりの癖が3才あたりを過ぎても続くようだと、歯並びに影響します。開口や出っ歯の原因になります。

③舌唇を噛む・吸う癖

これも開口や出っ歯になる原因になります。

例えばタオルを口に入れて吸うような癖も要注意です。

④乳歯の虫歯

これは癖ではありませんが、乳歯が虫歯になって早い時期に抜くことになると、歯並びが悪くなる原因になります。

⑤頬杖をつく癖

頬杖をついて外からの力を加え続けていると顔が歪む原因になり、顎の位置が変わることで歯列にも影響が出てしまいます。

まとめ

これまでお話ししたように、お子さんの歯並びに影響を与えるのは先天性と後天性の2パターンあります。

お子さんの成長過程で歯並びが悪くなるような原因は排除するように親御さんと歯科医が連携して守って行くことが大事な要素となります。

お子さんの歯並びを悪くしないためには、親御さんがお子さんの『悪い癖』を見落とすことなく発見して、それを歯科医に伝えることをしていけば防げることがたくさんあります。

このような生活習慣が歯列に影響を与えることを理解して、乳歯の時期によい歯並びを保つ習慣をつけることが大切です。

当院では小児矯正のご相談も積極的にお受けしています。

少しでも気になることがありましたら、お気軽に当院にご相談ください!