矯正治療を開始する時に親知らずが見つかった場合、抜く?抜かない?矯正治療における親知らずの影響について解説します!

こんにちは。しぶかわ歯科クリニックです(*^-^*)

親知らずが生えている方、出てはないがレントゲンには写っている方、または抜いた経験がある方、多くいらっしゃると思います。

歯列矯正をする際に親知らずがある方の場合、抜いてから矯正をするのか、そのままにするのか、また、矯正治療中に生えてきた場合など、今回は矯正治療を開始する前に知っておきたい「親知らずと歯列矯正」についてお話ししていきたいと思います。

親知らずとは?

親知らずとは、一般的に18~20歳前後で生えてくることが多い歯で、名前の由来は「親が亡くなってから生えてくる歯で、親が知らない歯」と言われています。

親知らずは、一番奥の8番目に生えてくることもあって最もトラブルが多い歯です。特に現代の日本人は、食の欧米化などの影響から硬い食べ物よりも柔らかい食べ物を食べること多くなっているため、顎が未発達になり、顎が小さい方が非常に多いのです。

そのため、永久歯が生え揃った一番最後に生えてくる8番目の親知らずは、生えるスペースがないので横向きに生えたり、斜めに生えたり、と真っ直ぐきれいに生えている方の方が少ない傾向にあります。

親知らずが歯茎の中で横向きになって生えていることは、歯医者さんに行ってレントゲンを撮ってはじめて知った!という方は少なくありません。

横向きや斜めに生えていると、前の歯を押す力が継続的にかかり続けるので、やがて歯列にも影響を与えてしまいます。

またきちんと真っ直ぐ生えていても、親知らずは一番奥の歯なので、歯磨きしにくい位置にあるため、歯ブラシが奥までしっかりできないケースが多く、虫歯や歯周病にもなりやすい歯です。

親知らずは抜くべきかどうか

稀にレントゲン上では親知らずの頭の部分である歯胚は確認できるのに、歯根が形成されずにそのまま歯茎の中で眠ったままの親知らずもあります。そのような親知らずは抜く必要がないケースが多いので、経過観察で問題ないです。

真っ直ぐきれいに生えている親知らずで、清掃状態も良好な場合は、特に抜歯の必要がないです。

親知らずは、横向きに生えていたり、斜めに生えていたりすると、虫歯・歯周病のリスクが高くなり、歯列にも悪影響を及ぼします。

また妊娠する可能性のある女性は、その前に抜いておいた方が良いでしょう。

歯列矯正前に抜くべき親知らずとは

歯列矯正を始める前の検査で親知らずがあって、先に抜歯するケースは

・歯並びに影響を及ぼす可能性がある親知らず

歯並びが悪くなってしまった原因が親知らずである場合、矯正治療開始前に抜歯をします。その場合は抜歯をしないで矯正治療を始めても治療が進まない、後戻りを起こしてしまう、などの影響が出てしまいます。

・親知らずを抜くことで確保できるスペースがある場合

前歯にスペースが足りないことで不正歯列になっている場合、奥歯を抜歯することで歯を後ろに下げていく治療を行うことがあります。

今のところは特に影響を与えていない親知らずであっても将来的に悪影響を与えるかもしれないと判断された親知らずは、あらかじめ抜歯しておくことになるケースもあります。

いずれも矯正歯科医によって見解が変わることがありますので、きちんと説明を理解してから矯正治療を開始するようにしてください。

抜かなくていい親知らずとは?

親知らずといえば抜歯と思う方が多いですが、抜かなくて良いケースもあります。それは親知らずが8番目の歯として機能しているケースです。

手前の歯や、上下の歯に対してしっかりと噛むことができて一本の歯としての役割を果たしている親知らずの場合は、抜かないという判断ができます。

手前の歯を大きな虫歯で失った際に、親知らずを代わりの歯として代用することができることがあるからです。

また完全に骨の中に埋まっていて、将来的にも生えてくる見込みがない親知らずは抜く必要がないです。

抜くべき親知らずを抜かずに矯正治療を開始したら

・歯の移動に制限が生じる

親知らずがストッパーのような存在になって、歯を思うように移動させることができなくなってしまい、そうなると矯正治療の目指すゴールに辿り着かなくなってしまいます。

・特に問題なさそうな親知らずであっても、親知らずは少しずつですが動きます。矯正できれいに並んできた歯並びが乱れてくることがあります。

・矯正治療中に腫れたり、痛みが出る

ワイヤーによる矯正をしている途中で親知らずが痛くなったり、腫れたりすることがあります。

親知らずの頭が歯茎から出ている場合、その位置は一番奥なので歯ブラシが当たりにくく、歯茎が腫れやすかったり、虫歯になりやすくなります。

清掃がうまく行き届かずに、虫歯・歯周病にかかりやすく場合によっては痛みを伴いますが、その痛みだけでなく、親知らず自体が痛みや腫れを引き起こしやすいのです。特にワイヤー矯正の場合は、特に注意が必要です。

最後に

矯正治療後のリスクを考えると必ずということではありませんが、矯正治療開始前に親知らずがある場合は基本的には抜いた方が良いということになります。

しかし抜歯に抵抗がある方も多いと思います。

矯正治療を開始する際、スペース不足解消のための抜歯は必要なことがありますが、ケースによっては親知らずを残したまま矯正をすることもありますので、まずは矯正歯科でご相談してみてはいかがでしょうか。