歯列矯正のための抜歯で後悔しないために抑えておきたいポイントについてお話いたします!

こんにちは。 しぶかわ歯科クリニックです(*^-^*)

近年食の欧米化などによる変化を背景に、あごが未発達になりあごの大きさが小さくなる傾向にあることから、不正歯列でお悩みの方は年々増加する傾向にあります。

不正歯列を治すには歯列矯正が効果的ですが、歯列矯正をする際に抜歯をして歯列矯正をする『抜歯矯正』か、抜歯をせずに歯列矯正をする『非抜歯矯正』のどちらかが大きな問題となるでしょう。

矯正治療を始める前に必ずカウンセリングをします。レントゲンを撮ったり、歯の模型を取るなどしてどの程度まで歯を動かすか、シュミレーションを重ねてから理想の歯並びを手に入れるために矯正治療を開始します。

矯正治療開始前の計画段階において、不正歯列の原因を分析し、不正歯列の程度や歯の向きやあごの大きさなど、様々な角度から検証し、歯科医師が抜歯が必要なケースか、抜歯が必要ないケースかを判断します。

これは矯正治療を成功させるか否かの重要なポイントとなります。

抜歯矯正はどのような目的で行われるのか

歯列矯正をしようと心に決めた方の多くは、できれば抜歯したくない、という方は多いはずです。しかし不正歯列の状態によっては、抜歯が必要になるケースがあります。

抜歯矯正になる理由はいくつかあります。

①あごの大きさと歯の大きさがアンバランスな場合

不正歯列の原因は様々です。あごに対して歯が大きい、あごが小さすぎる、などあごに十分なスペースが確保できない場合は、抜歯をして歯がきれいに並ぶスペースを確保しなければならないため、抜歯をしなければ矯正治療が成功しません。歯がきれいに並ぶスペースがないまま抜歯をせずに矯正治療をすると、歯が正常に整列することができずにかみ合わせに支障が出たり、歯茎が下がってしまうなどのトラブルが起きる可能性もあり、不正歯列をしっかりと治すことができなくなります。

あごが十分に大きい方は、歯列の幅を広げる治療を行って歯列全体を広げ、抜歯をしないでもスペースを広げることが可能な場合があります。

②上下のあごがズレている場合

上あごと下あごにズレが生じていてかみ合わせが悪くなることから歯並びが悪くなっていることがあります。この場合、上あごと下あごにズレが大きい場合には外科的な手術が必要になるケースもありますが、矯正治療で歯並びを改善するには抜歯をして歯を動かすスペースを確保して歯列矯正を行なって、上下のあごを正常な位置に動かしていく必要があります。

③不正歯列の原因が親知らずという場合

親知らずは歯列の一番後ろに生える8番目の歯ですが、あごが小さいと歯が斜めに生えてきたり、真横向かって生えたりと歯が生えるスペースがない場合の親知らずの生え方は、問題がある場合が多いです。

親知らずは一番奥の歯だから関係ないと考える方がいますが、それは大きな間違いで、親知らずが歯を押す力は思った以上に強く、日々前に押し出す力が加わると一本だけ歯が引っ込んでしまったり、歯茎を圧迫したり、と歯列に大きく影響を与えます。

このような親知らずを放置したまま歯列矯正を行なっても、歯並びの改善はできないので、親知らずの抜歯をしてから歯列矯正を開始することになります。

抜歯矯正のメリットとは?

【メリット】

・理想の歯並びを実現しやすい

抜歯を伴う歯列矯正の場合、治療計画が立てやすく、抜歯をすることで歯の移動に必要なスペースを確実に確保できるため、歯列矯正の治療をスムーズに進めることができます。

そのため、患者様が理想とする歯並びを手に入れることができます。

・治療期間の短縮

抜歯をすることで歯が動くスペースに余裕があるので、歯を動かしやすくなり治療が計画の通り進みやすい傾向にあります。

ただし歯が動くスピードには個人差がありますので、抜歯をしても治療計画通りに治療が進まないこともあります。

また抜歯をしてスペースが開いた分、歯の移動が延びるので治療期間も長くなるケースもあります。

・上下の歯のバランスや口元のバランスがよくなる

・フェイスラインが整い、理想のEラインを手に入れることができる

抜歯矯正のデメリットとは?

【デメリット】

抜歯矯正の最大のデメリットは、健康な歯を抜いてしまうことです。虫歯や歯周病ではない健康な歯を抜くことに抵抗を感じる人は多いと思います。将来虫歯や歯周病になって歯を失ったときに、支台となる歯がないと治療の選択肢が少なくなります。

やはり虫歯や歯周病になっていない健康な歯を抜くということは、将来の自分の歯の本数を減らすことになるので、そういう意味で健康な歯を抜歯することは大きなデメリットとなります。

また矯正終了後にスペースが余ってしまうとすきっ歯になってしまうことがあります。

最後に

抜歯の必要がないのに、不必要に抜歯して矯正してしまうと、口元が大きく下がってしまったり、すきっ歯になったり、見た目にもネガティブな印象になってしまう可能性があります。

口腔内の状況は、患者様お一人お一人環境が異なるので、不正歯列になった原因も違えば、矯正治療の計画や治療方針、矯正治療の方法、矯正治療の器具の選択も全く違ってきます。

ご自身にとって最善の治療方法を探ることが最も大切で、歯列矯正は審美性を追求するためだけではなく、お口の機能の回復や改善、さらには心身の健康にもつながる大きな役割も担っています。

信頼のおける矯正歯科医を見つけるために、いくつかの矯正歯科で相談をしてみるのも一つの手段だと思います。