出っ歯が気になってマスクが手放せない方、いませんか?

こんにちは。 しぶかわ歯科クリニックです(*^-^*)

実は日本人は、骨格の特徴から歯が前に突き出している方が多いということはご存知ですか?

世界的にも日本人は出っ歯のイメージがあるのか、太平洋戦争中にアメリカで作られた日本人を象徴としたポスターは「出っ歯にめがね」でした。

明治初期の日本は出っ歯の人が多く、その時代は人々の栄養状態が悪かったことが原因だといわれているそうです。

上顎前突

出っ歯は、歯科の専門用語では「上顎前突」と呼ばれ、読んでそのままですが上顎(うわあご)が前に突き出している状態です。

上の前歯が下の前歯よりも出ているのが正常ですが、上の前歯が下の前歯より4mm以上前に出ている場合に「出っ歯」と診断されます。

出っ歯になる原因について

原因は大きく分けて、先天性と後天性の2パターンあります。

先天性の場合は、遺伝的なもので骨格の問題から出っ歯になっています。

後天性の場合は、いくつか引き金になるご本人の習慣が潜んでいることが多く、例えば、幼少期の長期にわたる指しゃぶりの癖が原因になるということがあります。指しゃぶりは2歳くらいまでは生理的なもので問題がないのですが、それ以降も癖が続くと出っ歯になってしまうことがあります。

他には舌癖が原因というケースもあります。

出っ歯の悪影響

出っ歯だと審美的に気になって、思い切り笑えない、マスクが手放せない、笑うときに手で口を覆ってしまう、という方もいます。

しかし出っ歯の影響は見た目だけではありません。

・前歯で食べ物が噛みにくい

・唇を閉じにくい

・転んだときに前歯が破折するリスクが高い

・口呼吸になりやすい

・奥歯に負担がかかる

・顎関節症につながる

など影響が及びます。

また口呼吸になるとドライマウスを招き、むし歯や歯周病になる確率が高くなったり、口臭や歯の着色、のどの炎症など様々な問題が生じます。

舌を置く正しい位置「スポット」

舌には「スポット」と呼ばれる正しい位置があって、正常であれば普段リラックスしているときに自然に舌を置いている場所があります。

舌は本来、上あごに軽くついている状態が正常です。

スポットの位置は、上あごの前歯の後ろにプクっとしたふくらみがありますが、そこが舌を置く正しい位置です。

舌癖のある方は、上下の歯の間に舌を押し出したり、飲み込む時に舌で歯を押したりする癖があります。

歯は1.7gの力で動くと言われていて、舌の力は500g、頬や唇の力は300gくらいあります。

私たちは1日600回~2000回くらい飲み込む動作(嚥下)をすると言われていますので、飲み込むたびに歯に圧をかけていると、次第に歯列に影響が出てきます。

特に幼児期の舌の位置は、その後の顎の発育に大きく影響を与えます。5歳ごろまでに舌の正しい位置を習得できていないお子様は、舌のトレーニングをして舌をスポットに置くように改善できれば、顎の成長が正常になり歯並びが良くなります。

舌のトレーニングとは

MFTというトレーニング方法があります。

MFTとは「Oral Myofunctional Therapy(口腔筋機能セラピー)」の略で、口腔筋機能療法とも呼ばれています。

これは、唇や頬の内側、舌などお口周りの筋肉を鍛えることで、舌の位置を正しい位置を習得し、歯並びや咬み合わせを整えていくトレーニング方法です。

対象:5~10歳

目的:舌の位置を改善する

期待される効果:歯並びや咬み合わせを正常に導く効果

MFTには何十通りもの方法がありますが、ここでは代表的な方法を少しだけご紹介したいと思います。

△スポットポジション(1日10回)

スポットの位置を鏡で確認し、意識的に舌の先をスポットに軽く当てます。このときに、舌先は上下の前歯に触れないことが重要なポイントです。

△ポッピング(1日10回)

舌を持ち上げる力をつけるエクササイズで、嚥下の際に必要な筋力の基礎的な力を身につけることができます。

舌全体を上あごに吸いつけ、ゆっくり口をあけて舌小帯(ぜつしょうたい)を伸ばしポンと舌打ちをします。

1秒程度、舌小帯を十分に伸ばしてから舌をパンと下に落とす要領で練習します。

△オープンアンドクローズ(1日10回)

舌全体を上あごにべったりと吸いつけ、口を大きく開け、舌小帯を十分に伸ばしてからゆっくり軽く歯を合わせる、これを繰り返し行います。

今紹介したトレーニングはほんの一部ですが、きちんと毎日行えば効果が期待できるトレーニング方法です。

矯正治療という選択肢があります!

先ほど述べたように、出っ歯には先天性と後天性が原因に分かれます。それでは骨格の問題なら出っ歯は治らないの?と疑問を持つ方もいらっしゃいますよね、

大丈夫です!

程度にもよりますが、上顎前突は歯科矯正をすれば改善できます。

方法は「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」になります。

前歯が傾いている場合はワイヤー矯正を行うのが一般的です。

部分矯正で済むケースもありますが、マウスピース矯正はワイヤー矯正より気軽に始められることから、最近ではマウスピース矯正を選択される方増えてきています。

■当院の方針について

当院では患者様とのコミュニケーションを大事にし、出来る限り患者様のご要望に応じたいと考えております。

特に前歯は顔の第一印象に大きく影響します。

歯並びが少しでも気になる方は是非、しぶかわ歯科クリニックにお気軽にご相談くださいね。