矯正治療で痛みを感じるのはなぜ?対処方法も解説します
こんにちは。森下しぶかわ歯科です(*^_^*)
今回は、矯正治療での痛みについてお話ししていきます。「矯正治療=痛い」というイメージで不安になる方もいらっしゃるかもしれません。完全に痛みを排除することは難しいかもしれませんが、なるべく痛みを少なくするにはどうしたらよいのでしょうか。
矯正治療は痛い?
矯正治療では、歯を動かすことで歯並びや噛み合わせを大きく変えていきます。そのため、治療に際して多少の痛みを伴う方がほとんどです。痛みの感じ方には個人差があるので、ほとんど痛みを感じない方もいれば、時々しか気にならない、という方もいらっしゃいます。また、装置の種類によっては痛みの程度は多少異なり、一般的にはワイヤー矯正よりもマウスピース矯正のほうが痛みは少ないといわれています。
矯正治療で痛みがあるのはどのようなとき?
治療を進めていく中で痛みを感じる可能性がある場面は様々です。
・歯が動くとき
矯正装置が歯を動かしたい方向に力をかけると、歯根膜の伸縮と歯を支えている骨の吸収・再生が起こります。骨に生じる一連のメカニズムの中で炎症反応が起きるとき、痛みのもととなる「プロスタグランジンE2」という物質が放出されます。そのため、歯が動くときには痛みを感じるのです。ただし、矯正治療をしている期間中、絶え間なく痛みが続くというわけではないのでご安心ください。
・装置を調整/交換したばかりのとき
矯正治療は数か月から数年の長い年月を要する治療ですが、この期間の中で定期的にご来院いただきます。ワイヤー矯正の場合はおおむね月に1回、インビザラインなどのマウスピース矯正の場合は2カ月に1回程度です。その際には治療の進行状況の確認や歯のクリーニングのほか、装置の調整も行います。特に、ワイヤー矯正はご自身で装置を取り外したりすることはないため、歯科医院で一度装置を外して新たに調整して着け直すという処置を行います。マウスピース矯正の場合は、あらかじめお渡ししてあるマウスピースを、1~2週間に1度次の段階のものに交換していただきます。このように、ワイヤー矯正の装置を調整したりマウスピースを新しいものに交換したばかりのタイミングでは、歯にかかる力が強くなり痛みを生じることがあります。装置に慣れるとともに徐々に痛みは和らいでいくので、ご安心ください。
・ワイヤー矯正の装置が外れてしまったとき
ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットとよばれる装置を直接貼り付け、そこにワイヤーを通します。ブラケットや装置はいずれ外すことを前提としているので、絶対に外れないというものではありません。そのため、ガムなどの粘着性のあるものや硬いものを食べたときに外れてしまうこともあり、外れたワイヤーが粘膜に当たると、痛みを感じることがあります。
・装置が粘膜にあたるとき
ブラケットやワイヤーなどの装置や、マウスピースの縁が粘膜に当たると、痛みを感じることがあります。また、その際にできた傷から口内炎ができてしまうこともあります。
矯正治療の痛みにはどう対処する?
上にご紹介したような状況で痛みが生じたときには、どのように対処するとよいのでしょうか。
・新しい装置に慣れるのを待つ
ワイヤー矯正の装置を調整したときや新しいマウスピースに交換したばかりのタイミングでは、2~3日程度は歯の動きに伴う痛みを強く感じることがあります。しかし、この痛みがずっと続くのではなく、時間の経過とともに徐々に慣れてきて痛みや違和感が軽減することがほとんどです。それまでには概ね数日~1週間程度かかります。もし1週間以上経過しても生活に支障があるような痛みある場合は、我慢せずに担当医に相談しましょう。
・外れた装置を治してもらう
ワイヤーが外れて粘膜に当ると、痛みを生じることがあります。また、外れたワイヤーを放置すると、計画通りに治療が進まない可能性もあります。ご自身で装置を修復したり着け直すことはできないので、速やかに担当医に連絡をして指示を仰ぎましょう。
・装置が粘膜に当たらないようにする
ブラケットやワイヤーが粘膜に当たって痛みがあると、食事など日常生活に支障をきたすこともあります。これを解決してくれるのが、「矯正用ワックス」です。矯正用ワックスは歯科医院やネットショップなどで購入することができます。
粘土状の矯正用ワックスを小さく丸めて装置に貼ることで、装置を粘膜の接触を和らげ、痛みを軽減することができます。装置に唾液や汚れがついているとワックスがしっかり貼りつかないので、歯磨きをして唾液をふき取ってから行うようにしましょう。
また、マウスピースの縁が当たって痛みがある場合は、縁が粘膜に当たらないようにマウスピースを削って調整します。この調整は患者様ご自身では行うことができないので、調整をご希望の場合は必ず担当医までご連絡ください。
まとめ
今回は、矯正治療での痛みについてお話ししました。矯正治療中は痛みや違和感を生じることがありますが、その対処方法を知っておくと安心です。治療に伴う痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みをあることで治療が順調に進んでいると実感できる、と捉えることもできます。できるだけ痛みを和らげながら前向きに治療に取り組んでいきましょう。
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