口元が出ている”口ゴボ”は治した方が良いのか?口元が出る原因と治療法などについて説明いたします!

こんにちは。 森下しぶかわ歯科です(*^-^*)

美の基準とされている『Eライン』とは、横顔の鼻先と下アゴの突端部を直線で結んだ直線のことです。

この線上やもしくは内側に唇が納まっている横顔が美しいとされていて、エステティックラインとも呼ばれ、美意識が高い女性はこのEラインを目指してフェイスラインを整える努力をしています。

これに対して『口ゴボ』とは、口元が直線よりも前にある状態を言います。

口ゴボはかみ合わせにも影響があり、Eラインの内側に口先がある場合は正常なかみ合わせですが、口先がEラインよりも少し出ている場合は“上下顎前突”と呼ばれる状態で、口先がEラインよりも大きく出ている場合は“上顎前突”の状態になります。

口ゴボは不正歯列の一つです

口ゴボとは、歯が前に出ていることが原因で口元全体が前に飛び出したような状態の口元のことを言い、アジア人をはじめ日本人に多いということがわかっています。

顎の大きさには個人差がありますが、歯の大きさ、日常における習癖などの影響で、上顎が飛び出す上顎前突、上下の顎がどちらも前に飛び出す上下顎前突などの不正歯列が原因で、口元が前に飛び出しているように見えます。

口ゴボの原因とは?

口ゴボの原因はいくつか挙げられますが、大きな原因は上顎前突や上下顎前突だと、どうしても口元が突出してしまいます。

歯並びは問題ないのに口元が出ているケースは、口元の軟組織が分厚い方が時々見受けられます。逆に顎の軟組織が薄い場合も口元が突出して見える場合もあります。

また、前に飛び出した歯を覆うために鼻の下が長く伸びている場合もあります。口元が突出していると、“おとがい“と呼ばれる下顎の部分にシワができやすくなります。

この他にも口が閉じにくい、かみ合わせが悪い、虫歯や歯周病になりやすいなどの影響も出てきます。

また、上顎前突や上下顎前突の原因は先天的な原因もありますが、歯並びに悪影響を与えるような習癖による後天的な原因で引き起こすことも多くあります。生まれつき顎が小さい、大きい場合や、顎の大きさに対して歯が小さい、大きいなども不正歯列を引き起こす大きな要因の一つだと言われています。

また、頬杖をつく習慣や、うつ伏せ寝、片側寝、指しゃぶりの癖が治らない、舌で前歯を押す癖があると、歯が前に突出してくるなどの不正歯列を引き起こします。

口ゴボを放置した場合の影響とは?

①見た目の問題

口ゴボの方は、一番に見た目が気になるという方が多いです。口元が前に出ていることで鼻の下が長く見えたり、出っ歯であることがコンプレックスになり、笑うときには口元を手で覆う癖がある方も少なくありません。ここ数年はマスク生活が日常化していましたが、最近ではマスクを外す方向で政府が呼びかけていますが、マスクを外したくないという方が多く、その中には口元のお悩みを隠せるからマスクを外したくないと思っている方が若者を中心に多いようです。

②虫歯や歯周病になるリスクが上がる

口ゴボだとほとんどの方が出っ歯なので、口が開きやすい状態です。口が開いた状態だと、口呼吸になり口腔内乾燥を招きます。唾液には自浄作用があるので、通常は虫歯や歯周病などの菌の繁殖を抑えてくれていますが、口呼吸によってお口の中が乾燥した状態が続くと唾液の分泌が減少し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

③顎関節に負担がかかって顎関節症になりやすくなる

出っ歯だとかみ合わせが悪くなり、食べ物を噛むときに特に奥歯に負担が生じ、顎の関節に負担がかかりやすくなります。さらにかみ合わせが悪いと咀嚼機能が正常に機能しないために、食べ物をしっかりと噛み砕くことができずに飲み込んでしまうので、胃腸にも負担が及びます。そうなると消化不良などを引き起こしてしまいます。

口ゴボの治療方法とは?

出っ歯をはじめとする歯並びが原因の口ゴボは、口ゴボの程度にもよりますが、ワイヤー矯正及びマウスピース矯正などの矯正治療で改善することができます。口ゴボが軽症の場合は、セラミックを被せる治療でも有効なケースがあります。

ワイヤー矯正とは、ブラケットと呼ばれる矯正装置を歯の表側、あるいは裏側に装着して矯正治療を行います。

ワイヤー矯正は矯正力が強く、昔から一般的に認識されている矯正治療です。

マウスピース矯正とは、比較的新しい矯正治療の方法で、透明のマウスピースを使って痛みが少なく違和感が少ないことから、近年では昔よりも気軽に歯列矯正をする方が増えていますが、対応できる症例は限られています。

セラミック矯正とは、歯を削ってセラミックの被せ物を装着して歯並びや白さを綺麗にする治療です。こちらも口ゴボの程度が軽症の場合のみ対応できる治療です。

理想的な口元を手に入れるためには

横顔は自分では見えないのであまり意識していない人が多いですが、自分では意識していなくても人から指摘されたり、写真で自分の横顔を見たときに、Eラインを意識するようになることが多いようです。

美しいフェイスラインやメリハリのある顔立ちを実現するには、『Eライン』を整えることが効果的です。

口ゴボだけど歯並びは綺麗という方は「不正歯列ではないから矯正では治らない」と思ってしまう方が多いのですが、「口ゴボは不正歯列の一つ」です。まずは口ゴボの原因が何なのか、どのような影響があるのか、どのような治療法があるのかを知っておくことがとても大切です。

多くの場合の口ゴボの方は歯列矯正で治療することが可能ですが、歯列以外のことが原因の場合もあります。

歯に悪影響を及ぼす癖がある方の場合は、日常的な習癖を見直しつつ、理想的な口元になるために矯正治療を受けることも一つです。

どちらにしても口ゴボが気になっている方は、まずは歯科医院でお気軽にご相談してみてください。